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執筆者の写真稲村 悠

欧州で相次ぐ中国スパイ事件/厳格に管理された中国諜報活動の実態と日本に求められる施策とは(過去寄稿記事から抜粋)



 

ドイツで深刻な実態が明るみに

 ドイツ当局は22日、中国の情報機関のためにスパイ活動をした容疑で、ドイツ人の男女3人を逮捕したと発表した。主犯のドイツ人は、中国国家安全省の指示を受け活動するエージェントで、ドイツ人夫婦が経営する企業を通じてドイツの大学と協定を結び、その一環として、軍艦等に使用される船舶用エンジンに関する機械部品に関する情報を収集していたという。

 また、容疑者3人は、EUのデュアルユース規制(※軍民両用の物品に関する輸出規制)の対象であるにもかかわらず、中国国家安全省から支払いを受けてドイツから特殊レーザーを購入し、無許可で中国に輸出した疑いもある。

 本事件は、中国国家安全省の工作員が運営したエージェントである主犯のドイツ人と、共犯のドイツ人男女による諜報活動と見られる。ドイツで中国工作員が諜報活動を行うには、当然、外見的障壁があるため、現地のエージェントを活用した基本的な構図の諜報活動であったと推察される。


~中略~

 また、23日には、ドイツ当局は、中国に情報を渡していたとして、右派政党の「AfD・ドイツのための選択肢」の欧州議会議員・マクシミリアン・クラー氏のスタッフであるジャン・G氏(43)を逮捕したと発表。前述の事件との関係は示されていない。

極右政党を狙う中国

 極右政党は欧州で支持を拡大しており、ドイツAfDもその一つだ。中国国家安全部にとっては、その影響力を行使する上では有効なツールの一つである。

 AfDは2023年、中国バッシングの方針を転換。その転機となったのは2023年6月に、AfD幹部らが中国訪問してからだと指摘する声もある。中国政府は欧州極右政党に対して資金提供を続けてきたとことでその影響力を行使しているとの見方がある。

 中国の狙いは、外交政策上有利な情報を収集するのは勿論、欧州と米の離間、人権問題等に関し都合の良い情報を欧州内で発言させる等の意図が考えられるが、基本的に中国のスタンスは「利用できるもの」を積極的に利用するのだ。


 中国の諜報活動は、世間で認識されている以上に厳格に管理されている。

基本的に中国は、民間人を利用した諜報活動を行う場合、実際に諜報活動を指揮・実行しているのは少数のコアな工作員であり、その活動計画や報告も極めて厳格に管理されている。


 では、日本に求められる対応策とは何なのだろうか。

(続きはFNNプライムオンラインにて→LINK

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